「ごちそうさまでした」


私が手を合わせると、リナさんがお皿を片付けてくれた。


「リナさんが皿洗いしてくれるんなら、俺は掃除でも始めようかな」

「あっ、じゃあ、私も手伝います」

「いいって。昨日のあれは冗談だよ。ミクル様に掃除なんてさせるわけないっしょ」

「でも……やることがないのもツラいです」

「そっかー。そうしたら、明日からお願いすることにしようかな。今日はまだゆっくりしてな」


レオさんは今日も私を客間に連れていって、食後の飲み物を出してくれた。


「私、自分の部屋ももらったことだし、自分の部屋に戻ります」

「今からミクル様の部屋を掃除してくるからここにいてよ。それにここは客間っていっても、魔王様が客を連れてこないから、魔王様と俺らの溜まり場みたいになってる。みんな暇になると、何となくここに集まってるんだ」

「魔王様は友達とか招待しないんですか?」

「うーん……前・魔王様は社交的だったから友人を呼んでた。魔王様も魔王になるまではもうちょっとマシだったんだけどねー。魔王になってからは……」