ダイニングルームには、リナさんだけでなくレオさんもいた。
「少しは元気出た?」
「出ないですよ……」
「ミクル様が元気にならないと、魔王様もしょげたままなんだよ」
「魔王様がしょげるなんて……」
言いかけて思い出した。
昨日、魔王様が私の様子をリナさんに尋ねている声は、部屋にこもっていても聞こえてきた。
『今はひとりになれる時間が必要なときです』と言ってくれるリナさんにも感謝だったし、それを聞いてそうっとしておいてくれた魔王様にも感謝だ。
「あまり動いていないので、軽いものにしておきました」
リナさんがそう言って出してくれたものは、パンがゆみたいだった。
でも、ミルクは野生味があるというか、獣臭いというか、どう表現すればいいのかな……
私は食レポに向いていないらしい。
とにかく牛乳に比べて随分と飲みにくかった。