下から物音がして目が覚めた。


目を開けたら自分のベッドだったらいいな……


そう期待していたのに、目に入ってきたのはバイオレットの天井だった。


天井と睨めっこしながら、耳を澄ませた。


魔王様とレオさんの声がする。


「じゃあ、城のほうに行ってくるから」

「魔王様、辛気臭い顔しすぎっしょ」

「だって行きたくないよ。面倒臭い」

「あはっ、しゃーないじゃん。身元不明の花嫁を召喚して、『はい、終わり』なんて、誰も納得しないって」

「他人事だと思って……」

「ごちゃごちゃ言ってないで、行ってらっしゃいませー」

「あっ、あとミクルのことだけど……」

「わかってますって。ミクル様のことは俺とリナさんに任せて。ほら、行った、行った」