「使い魔は、ご主人様から言葉にされなくても、気持ちがだいたいわかるの。幸か不幸か、そういうふうにできてるんだよ」


本当に?


私はリナさんを見た。


リナさんは『ええ』と言って頷いた。


「魔王様はミクル様を自分の花嫁だって思ってるよ。それと今んところは、大事にしたいと思ってる」


ほっとした……


あれ? ほっとしていいの?


今日初めて会った人、というか魔王様に花嫁と認識されて、ほっとしてたらダメなんじゃない?


頭の中が混乱する。


「一朝一夕で受け入れられるものではないですよね」


また体調が悪くなってきた気がした。


「あの……横になって休んでもいいですか?」

「もちろんです。私とレオは仕事に戻りますが、何かあったらあの呼び鈴で呼んでください」


リナさんが私の気持ちを察してくれて、有難かった。


私はベッドに突っ伏した。


帰れない現実をどう受け止めればいいんだろう……


それよりも私はこれからどうなっちゃうんだろう……


魔王様の花嫁って何をすればいいの……