さすが前・魔王様……やることの規模が大きい……


「あの、前・魔王様ならわかるんですが、私のためにそこまでしてもらっていいのかなって……」

「何を言ってるんですか。ミクル様は魔王様の花嫁なんですから、このくらい当然です」

「でも私、家に帰れないってことだってまだ信じられなくて、実は帰れるんじゃないかって心のどこかで思ってて……」


リナさんもレオさんも、可哀想な子でも見るような目を私に向けた。


「だって、魔王様の花嫁って、魔王様と結婚するってことですよね? それ、ただの冗談にしか聞こえないんです……」

「ミクル様……使い魔風情の私たちではどうしてあげることもできませんが……」


そう、だよね。


それなのに、こうなった元凶の魔王様に言うならまだしも、リナさんとレオさんに言ったってふたりを困らせるだけだった……


リナさん、それからレオさんも、ごめんな……