「……どう?」
そんな期待に満ち溢れたまなざしを向けられましても……
「そうですね……壁紙がバイオレットなのと、カーペットがボルドーなのが……」
レオさんが不安そうな目でこっちを見てくる。
レオさんだけじゃない。魔王様とリナさんまで……
これ、正直に言っていい場面?
「……何ていうか、斬新……?」
「あーっ、ダメかー!」
魔王様は、プハーッと笑った。
「若い子には黒じゃなくて、こういう色のほうがいいと思って、この部屋にしたんだけどなー」
「……まあ、黒よりは……」
「いい? こっちで正解?」
『正解』と答えてしまったら、これが私の部屋になってしまうのだろうか……
身震いがした。
「ラベンダーとかもうちょっと薄い色のほうが好きかなーって……」
レオさんが肩を落としているのに、魔王様はクックックッと忍び笑いしている。