リナさんがため息を吐いた。
「中には入らず、出入口からひと目見るだけですよ」
「それでいい!」
とてもじゃないけど、使い魔と魔王様の会話には聞こえない。
お母さんとダダっこのそれみたい。
「話はまとまった? 着いたからドアを開けるけどいい?」
レオさんがドアを開けた。
「あっ、ちなみに隣は魔王様の寝室ね」
レオさんは部屋の真ん中へまで入っていくと、こっちを振り返った。
「ミクル様も遠慮しないでおいでよ」
手招きされ、私も中に入った。
ひゃーー!!
玄関ホールや客室と同じようなテイストなんだけど、それをいっそう強烈にしたような?
内装の全てが悪趣味で、くつろげる気がしない部屋だ。
これは、レオさんの趣味、すなわち魔王様の趣味なんだろうか……