「『僕の花嫁を遂行する』って、何すればいいんだろうね? 僕と添い遂げればいいのかな……」


また頭がクラクラしそう……


「差し当たって、ミクルの身の安全を確保しないといけないよね」


魔王様は何か呟くと、頭を抱えていた私の左手を取った。


えっ、何?


薬指に何か硬い感触があった。


見るとそこには、漆黒のリングに真っ赤な宝石……


「不気味! まさかこれを結婚指輪って言うんじゃないですよね?」

「えーっ、不気味ってひどいな。これは防犯グッズだよ。ミクルが攻撃されそうになったときに、ミクルを守ってくれるもの」

「デカい宝石も悪趣味ー!」

「さっきから言い過ぎだよ。僕の魔力をこめるには、それぐらいの大きさが必要なの! その指輪は絶対に外さないでね。いい?」


ああ、大変なことになってしまった……。