「でも結婚って一生の問題なんだし、恥ずかしいかもしれないですけど、ここはひとつ……」


魔王様がしょんぼりしていく。


「ごめん。本当にごめんね!」

「……魔王様?」


魔王様がパンッと勢いよく手を合わせ、その手におでこをくっつけた。


「この通りだから許して!」

「すぐ帰してもらえるなら」

「だから、それができないんだって! 召喚するときって、何かお願いがあって呼ぶんだ。『この戦闘に加勢してほしい』とか、そういうの。で、そのお願いを遂行したら、召喚された魔獣なんかは勝手に帰っていくんだよ」


ふむふむ……む?


お願いを遂行したら……?


「ミクルを召喚したときはお願いじゃなくて、『我が花嫁に相応しい娘』って言って召喚したから、どうしたら帰れるのか僕にもわかんない」


ち、ちょっとー!