「私が召喚されちゃったのは何かの間違いに決まってます。私を帰して、もう一回召喚をやり直してください」
魔王様が頭を抱えた。
さっきの私よりわざとらしいのは気のせい?
「……無理なんだ」
「何がですか? 召喚をやり直すのが?」
魔王様は、私のことを『ただひとりの花嫁』と大見得を切ってしまったから?
その手前、『てへっ、やり直しまーす』とは言い出せない?
あー、そういえば偉そうなおじさんに、『僕の召喚魔法を疑うとでも?』ってすごんでたなー。
「でも、私まだ16歳の高校生だし、結婚できないですよ。だから、無効にしちゃえばいいじゃないですか」
「その『こーこーせー』ってのが何かはわからないんだけど、とりあえず魔界では結婚に年齢制限はないんだ。それと何よりも、ミクルは召喚されて来ちゃったんだよ」