そして、今まで会ったことがないくらいのイケメンだった。


これほど美しい王子様、というかこの服装は魔王様だろうか? がハロウィン行列にいたら、沿道は盛り上がるだろうな。


だからこそ、この体育館にいる人たちの中では若いほうなのに、大役を任されることになったんだろうか?


そうだとしたら納得……


あら? あらら?


その規格外なイケメンの顔がだんだんと大きくなる。


魔王様っぽいイケメンは壇上から降りて、私に向かって歩いてきていたのだ。


もしかして私を助けようと?


私がどこから来たのか知っていて、帰してくれるとか?


しかしその割には、その表情は冷たく何の感情も宿していなかった。


至近距離まで迫られ、まじまじと見つめられた。


背中がゾクッとした。


「あ……あの……」