着替えが済むと、リナさんは私の割れた爪にテープを巻いてくれた。
「体調もすっかりよさそうですし、魔王様にお知らせしてきてもいいですか?」
「それはもちろん構いません」
断る理由はなかった。
心配して何度も振り返ってくれた魔王様。
自分が召喚させたせいだ、と気に病んだのかな?
それは否定できないけれど、早く安心させてあげたい気がする。
「その前にお茶を淹れますね。ソファに座って、ゆっくり飲みながら待っていてください」
リナさんがいうソファは玄関ホールにあったものより大きく高級感があった。
毒でもありそうな花の柄なのが残念だ。
そんなことよりリナさんの淹れてくれるお茶……
飲んで大丈夫?