「あれ? だったらレオさんを爪の垢から作ったっていうのは……」
「レオも、身の回りの世話をさせていますけど、本来は兵隊のようなものなんです。有事の際は、魔王様の盾となって戦います」
「材料が爪の垢なら、レオさんをいっぱい作っておけばいいのに。そうしたら命も狙われなくなるんじゃないですか?」
それで私がレオさんを何人か借りれば、別棟から自由に出られそう。
面白いかどうかわからないけれど、一度くらいは魔界観光をしてみたい。
この世界はどうなっているんだろう?
「私もレオも、この形を維持して活動するのに魔力を必要とするんです。私は前・魔王様、レオは魔王様からその魔力をもらっています。普段は省エネを心がけていますが、戦闘となるとそうはいかない上に、エネルギー効率はよくないんですよ。魔王様は広範囲を1度に攻撃するのに長けていますから、レオをたくさん作るより、魔王様ひとりで戦ったほうがはるかにいいでしょうね」
いい考えだと思ったのにガッカリ。