魔界に落ちてきてからずっと、私の手足は冷えていた。
そのはずがリナさんの手は、私のと比べものにならないくらいにひんやりしている。
大丈夫ですか? 霜焼けになりません?
心配になって、そう聞きたくなるほど冷たい。
それなのに、反対にリナさんがショックを受けたように呟いた。
「なんて熱い……」
自分ではわからなかったけれど、熱があるのかな?
でも、あったとしてもせいぜい微熱だと思う。
いくらなんでも驚き過ぎだ。
それ、私が熱いんじゃなくて、リナさんの手が冷た過ぎるだけだと思うんだけど?
「……って、そうだったわ。ミクル様の平熱は何度ですか?」
「だいたい36度5分です」
「それは摂氏でですね。なら、この熱さで問題はありませんね」
わかってもらえてよかった。