ふとリナさんがもし担任の先生になったら……と想像してみた。
元々行きたくなかった学校にますます行きたくなくなって、ついに行けなくなりそう……
「リナ、この子が僕のお嫁さんのミクルなんだけど、」
ひいっ!
リナさんが目を細めて、私ではなく魔王様を見た。
けれど魔王様は少しも怯む様子はなかった。慣れっこなんだろう。
「はい、たった今レオからそのように聞きました」
「なら話が早くてよかった」
全然よくないって!
魔王様、リナさんのこめかみに気づいてー!
「具合が悪くなっちゃって」
「わかりました。私が付いていますので、魔王様はご自分の仕事をお願いします」
「言われると思ったー! でも何かあったら教えてくれる? あと、体調がよくなっても教えて」
「かしこまりました」
「絶対だよ? ねえ、ホントにわかってる?」
「しつっこいですね! わかりましたから、さっさと仕事に戻ってください!」
リナさんから叱られると、魔王様は私の足をそうっと下ろしてソファから立ち上がった。