魔王様は私のおしりの横に座った。


そして私の足をひょいっと持ち上げて、自分の膝の上に乗せた。


「魔王様の着てる物が汚れます」

「洗濯するからいいよ。どうせすぐ着替えるつもりだったんだ。この服、着心地悪くて好きじゃないんだよね。『威厳を保つために着ろ』ってレオがうるさいから、臣下に会うときだけ我慢してるけど」

「そんな服ますます汚したらいけないじゃないですか?」

「リナは洗濯がものすごく上手いから、きっと綺麗にしてくれるよ。あっ、リナっていうのは正確には僕の母親の使い魔なんだ。でも母親に命じられた僕の監視をしながら、レオと一緒に僕の身の回りの世話もしてくれてる」

「魔王様を監視……?」


魔王様って、1番偉い人なんじゃないの?