「僕、命狙われることあるんだ。そのための警備」

「そんなあっけらかんと言うようなことですか!?」


魔王様の日常はサバイバル?


「それで非常に言いにくいんだけど、ミクルは僕のお嫁さんになっちゃったから……」


魔王様が顎を引いて、上目遣いでこっちを見てきた。


「突然かわいこぶって、何ですか?」


嫌な予感しかしない。


「ミクルも命、狙われちゃうかもしれないんだ」

「はあ? だから、そういうことをあっけらかんと言わないでください! どういうこと? 何で?」

「落ち着いて。しょっちゅう狙われるわけではないから。それにこの別棟にいる限りは安心していい。ただ、別棟を出るのは僕と一緒のときだけにしてね」

「それって軟禁!」

「軟禁なんてつもりはないよ。お嫁さんの命を守りたいだけ。あっ、レオはここから出たことないよ」


レオさんが意地悪く笑った。


「掃除にウンザリするぐらい広いから心配すんな。それとも運動不足にならないように掃除手伝う?」