「魔王様、明日、目いっぱいの出力で私にマーキングしてください!」
「えっ? あっ、うん、それはもちろんだけど……僕の話わかってくれた?」
よーくわかりました!
思えば、『式典に出席する』って言い出したのは私なんだ。浮ついた観光気分なんかじゃダメじゃない?
魔王様が私を唯一の花嫁に決めてくれた理由が恋じゃないにしたって、私が唯一の花嫁ってことは事実なんだ。
金輪際、魔王様を誘うことがないように、ご令嬢たちにはきっちり諦めてもらわないと!
魔王様の私に対するそれが、溺愛だとか寵愛だとかではないってことは、私自身よく知っていた。
魔王様のは家族愛とかそんなのだ。
でも、魔王様は私のことを、何よりも誰よりも大事にしてくれている。
そのことを、たっぷりとアピールしてみせる!
自分に自信があるわけじゃない。
でも、毎日魔王様と過ごしてきた時間が、私に強固な自信をくれた。
私の貧弱な想像力だと、ぼやーっとしかイメージできないんだけど……大人でボンキュッボンなお姉さんがたでもつけ入る隙はないんだから!