リナさん、今何て……?


魔王様に恋心を抱いているご令嬢が……それも、たくさん……?


目を見開いた拍子に、口まで開いてしまった。


だけど、何ひとつ不思議じゃない……


だって、魔王様はイケメンでこんなにも優しいから……


グチが多いけれど、そんなことはご令嬢は知らないんだろうし……


「リナもああ言ってくれてる。だから、明日もこの魔法をかけてお城に行こうね」


魔王様はリナさんが味方についてくれたことにご満悦だ。


「魔王様、俺は? 俺も味方したよね?」

「レオはどっちでもいいよ。何言ったって、どうせ信用ないんだから」

「うわー! ミクル様、そんなことないよね? 魔王様に言ってやってよー」


楽しそう……


けれど、私はちっとも楽しくなかった。


「魔王様、」

「うん? まだ何か気がかりがある?」


『気がかり』っていうか、大きさなひっかかりが残ったままだった。