「だって、それって『俺のもの』って印つけてるようなもんじゃん。『俺のミクルにちょっかい出したらどうなるか、わかってるよな?』って」
「レオ! これは魔王様の愛なんですよ、愛」
「ぷーっ! 愛っていうか、溺愛だよねー」
「ふふっ、すみません……でも、本当にいいと思いますよ。魔王様からそれだけ重……いえ、真剣に寵愛されていることを示せば、生半可な覚悟ではミクル様に手出しはできませんから」
えっ、えっ、私ってば今どういう状態なの!?
魔王様はふくれていた。
「そんなに笑わなくてもいいじゃないか! ミクルに魔力がないことを誤魔化すためにも、最大出力でかけたほうがいいと思ったんだよ」
「その通りです。これだけ魔王様の魔力が強ければ、ミクル様の魔力を感じなくても誰も疑問に思いません。大変失礼しました」
「それと、何より魔王様の本気の愛を笑ったらいけなかったよなー。猛省します」