「もっと危機感をもって! 僕がずっとそばにいるわけにはいかないんだよ。仕事だってあるし、それと何よりミクルは着替えをすることになるんだから」
「そう、ですね……」
魔王様が私から離れる時間ができる……
急に不安が私を襲ってきた。
物見遊山気分の私はこの段になって、やっとこさ3人が真剣に議論していた理由がわかったのだった。
「だから、明日はリナにも一緒に来てもらうね。僕かリナから一瞬たりとも離れないこと!」
「わあ、リナさん、ありがとう!」
「それと、指輪だけだとやっぱり心もとないから、こうすることにしようと思うんだ……」
魔王様がぼそぼそと呪文を唱えた。
すると螺旋状の光が私の身体を取り巻き、そして……
消えた……?
消えたんじゃなくて、私の身体に吸収されたような……?