「こうやってワイバーンが落としていってくれるんです」
「そんなことして、壊れるものはないんですか? たとえば、卵なんて割れちゃいません?」
「そこは衝撃を吸収する魔法が、あらかじめかけられてますから」
わお。魔法ってつくづく便利だと思う。
それにしても毎朝ワイバーンはああやって鳴いているのかな?
それでも起きない私って、どれだけ熟睡しているんだろう……
私ってば神経が図太いのか、それだけ安心して眠れているってことなのか……(後者だといいな)。
リナさんは日用品と食料を、さらに食料は冷蔵しないといけないものと常温でいいものとを仕分けていく。
「何か手伝えることはないですか?」
かがんでリナさんに尋ねた。
そのはずが……
「おはよう。あら? ミクルさんはこのあいだ振りね」
リナさんではない声が、リナさんの向こう側から聞こえてきた。