「僕は断固として拒否するからね。だいたい好き勝手言ってくるけど、僕の花嫁をどうするかなんて、僕とミクル以外が意見する権利なんてないんだ」
どうやら、魔族も婚姻は両性の合意のみに基づいて成立しているらしい。
「僕の花嫁は未来永劫、ミクルだけ。心配しないで。僕はこれでも魔王だから」
そう言い含める魔王様は真剣で、さらにどこか傷ついているようにも見えた。
昼間に私が心配していたようなことは、起こりそうもないことがわかった。
一生懸命話す魔王様の顔を見ていたら、レオさんに笑い飛ばされても仕方がなかった、とさえ思えるようになった。
不安に駆られている乙女に対して、あの笑い方は失礼すぎることはともかくとして。
だけど、魔王様がそこまで決意してくれているなら、どうして魔王様は困っているの?