……あらら?


そういえば、魔王様が複数人と結婚した場合、みんなここで同居するのかな? 後宮みたいな?


「ぶっはっはっ! んなわけないじゃーん」


不安に駆られた私は、質問した結果、レオさんから盛大に笑われるという憂き目にあった。


リナさんですら、肩を震わせている。


「そんな心配は一切不要ですが、一応説明しておきますね。今は使用されていませんが、この別棟と似たような、ただしやや小ぶりな建物がいくつかあるんですよ」

「ってか、本気でそんな心配要らないし! 魔王様がいつそんなキャラになったわけ? ミクル様にひとりで考えさせると、ぶっ飛んだ方向に行くなー」


レオさんはなおもゲラゲラ笑っている。


「魔王様が帰ってくるまで、余計な頭を使わなくていいように手を動かしてなよ」


確かにその通りだと思った。


私は笑われ放題のまま、すごすごと掃除に戻ることにした。