「王妃はミクルさん、そして側妃はひとりも娶らないと貴方が決めたのなら、それで結構。ただし、周りにきちんと認めさせておいてちょうだい。いいわね?」
えっ、今までの話って、私が原因なの!?
ギョッとして魔王様の横顔を見た。
魔王様は神妙な顔をして、お母さんに頷いていた。
「それじゃ、私はこのままあっちに行くわ。ミクルさん、落ち着いたらまた会いましょうね」
私が返事をするのも待たずに、前・魔王様は転移魔法を使ってドロンと消えてしまった。
突然現れたと思ったら、突然消えてしまって……
まるで嵐のような人だった……
魔王様にとっても、嵐だったようだ。
大きくため息を吐いた。
リナさんとレオさんは渋い顔で、互いを見合っている。