「いいわね。次に人間界ブームを仕掛けるときには、そのサロペットというのも含めていいかしら?」

「仕掛ける? ……人間界ブームを?」

「そうよ。魔族の中で、私以外の誰が仕掛け人になるっていうのよ?」


そんなこと、知りませんって!


だけど、これって間違いなくラッキーな展開だ。


花嫁として人間の私が召喚されてしまったけれど、姑になる人は人間贔屓だなんて。


『息子の嫁に人間なんぞ不釣り合い』だとか何とかって、嫁いびりされる心配がなさそう!


魔王様が『私の子だった』っていうのは、そういうこと? 人間好きな自分の息子が、人間と結婚するのは、むしろ納得?


「ここで立ち話も何ですので、客間に移動しませんか?」


ようやくリナさんが話しかけてきた。


「そうね。レオがそろそろお茶を持ってくる頃でしょうし」


私たちは場所を移すことにした。