「そういうこと……ああいう子だから、そのうち適当に家柄のいいどこかのお嬢さんと結婚するだろうと思っていたけれど……」
前・魔王様はクスクス笑った。
「ああ見えても、私の子だったってことね」
ええっと……私はどう反応したら……?
まごまごしていると、前・魔王様はようやくサロペットに視線を移してくれた。
「それは人間界の?」
「いえっ、特注で作ってもらいました!」
「でもデザインは人間界の?」
これは、私が人間だとバレてるってこと?
リナさんの表情を横目で確認したけれど、特に動揺もしていない。
ということは、前・魔王様にバレても問題はない、と判断していいんだよね?
あるいは、すでに何か勘づいていたとか……
人間界風のインテリアが購入できる店をリナさんから相談されたときから、すでに察していたとか。
うん、それは充分ありえる。