「それで、貴方……」


迫力美魔女は突然、こっちを振り返った。


「は、はあい!」

「貴方があの子の花嫁?」


ここは、自ら『はい、魔王様の花嫁です』って名乗るべき?


うーん、それは何か違う気がする。


「……花嫁というか……魔王様の花嫁として召喚されました、内藤ミクルといいます」


前・魔王様がじっと見つめてきた。


内面を見据えられているみたいで、背筋がぞくっとする。


リナさんかレオさんが会話に入ってきてくれないかな、と期待した。


けれど、リナさんは口は真一文字に結んでいるし、レオさんもお茶を用意しにさっさと行ってしまった。


魔王様との会話ならいくらでも割り込んでくれるのに……


「貴方……」

「はあい!」

「その服は?」


服? 今聞くのがそれ?


「これはサロペットパンツといって……」


前・魔王様は私の顔を覗き込んできた。


きゃー、緊張する! 怖い!


サロペット……顔じゃなくてサロペットを見て!