魔王様と声の大きさを揃えることにした。


内緒話をするときのような声量だ。


秘密にするような内容でもないと思ったけれど、本当に内緒話だったらいけないから。


「当たり前じゃないですか」

「そっか。てっきり……は常に裸足なのかと思った」


何? 魔王様、今『何は裸足だと思った』って言った?


そこだけ特に小声で話すから聞き取れなかった。


「あと、『暗くてよく見えない』?」

「見えるわけないじゃないですか。それとも魔王様は『見える』って言うんですか?」

「僕は見えてるよ。そうなんだ、……の目は暗いところでは見えないんだね」


まただ。また聞き取れなかった。


「じゃあ、こうしよう」


魔王様が外国語らしき言語で、ぶつぶつと独り言を呟いた。