むふふふ……
夢に描いていたような部屋になったことが嬉しくて、顔の筋肉が緩む。
しかも、それがここ魔界で、だなんて!
全く期待していなかったぶん、余計に気分が高揚する。
それなのに……
「そっかー、とうとうミクルの部屋ができちゃったのかー」
魔王様が淋しそうに見えるのは気のせい……だよね?
「あーあ、僕だって手伝いたかったのに、ついに最後まで参加できなかったなー」
あっ! と思った。
魔王様は毎日私の話を聞いては、『みんなして楽しそうだなー』と羨ましそうにしていたことに気づいていた。
それと、私のために自分も手伝いたいって思ってくれていることも、充分すぎるくらいに知っていた。
けれど、誰も魔王様を除け者にしたかったわけではないんだし。
それに魔王様は日中お城へ出勤していて時間がなかったんだから、仕方ないじゃない。