「ええ、大丈夫です。いまから領地内の町や村を訪問しようと思っていましたが、とくに約束をしているわけではありませんので。明日にします」
「申し訳ありません。どうしてもあなたに会いたかったので、迷惑を承知で来てしまいました」
「はぁ……」

 なにか急な用事があるのね。

 キラキラ輝く美貌は、どこか心配とか不安とかそういう色が浮かんでいるようにもうかがえる。

 もしかして、援助をやめたいとか? これ以上は出来ないとか?

 せっかくの援助がなくなってしまう。

 頭の中は、そのことでいっぱいになってしまった。