「ふ…。うぇぇぇ…?」
寿々花さんは、テーブルの上に並んだ料理の数々を見て、そんな奇怪な声を上げていた。
どうだ。感動したか?
まぁまぁ苦労したんだぞ。
すり下ろしたり微塵切りにすることなく、食材全部をぶつ切りにした野菜炒めに。
生のトマトと、千切りニンジンのサラダ。
きのこたっぷりのバターソテーや、ナスとピーマンの焼き浸しに至るまで。
寿々花さんの嫌いな野菜、嫌いな食材がたっぷり入っている。
これまで使うのを控えていた食材を、フル活用。
ピーマンとかナスとか、久し振りに買ってきた気がするよ。
寿々花さんが嫌いだからと思って、滅多に買わなかったんだけど。
今日からは、遠慮なく活用していくぞ。
俺は普通に好きだからな。ピーマンもナスも。
しかし、寿々花さんにとっては。
「…何だろう。いつもは美味しい悠理君のご飯なのに、今日は美味しくなさそうに見える…」
と、ポツリと呟いていた。
そうか。それはごめんな。
でも、これくらいの荒療治をしないと、いつまで経っても食わず嫌いを克服出来ないからな。
我慢して食べてもらうぞ。
「まずは食べてみろよ。そうしたら、意外と美味しいかもしれないぞ?」
一回、この最初の一回が大変で、大切なんだよ。
この一回で「意外と美味しい」と思えたら、次からも抵抗なく食べられるだろ?
逆に、この一回目で「やっぱり不味いじゃん」と思ってしまったら、二回目以降のハードルが爆上がりする。
だからこそ、最初の一回が大切なんだよな。
「そうなのかなぁ…」
「大丈夫だよ。良い香りだろ?きのこのバターソテー」
きのこ独特の香りと、バターの香ばしい匂いが堪らない。
俺だったら、これだけでお茶碗一杯食べられそうな気がするが。
「…うーん…」
どうやら寿々花さんは、箸が進まない様子。
駄目か?やっぱり無理なのか?
いや、諦めるのはまだ早いだろ。
「とりあえず、一口ずつで良いから食べてみたらどうだ?勇気を出して」
「勇気を…?」
「そう、意外に美味しいかもしれないだろ?」
「…うーん…」
まだ悩んでるようだな。
さすがに、17年食わず嫌いしていただけのことはある。
だが、もう一押し。
俺には、寿々花さんをその気にさせる魔法の言葉がある。
「なぁ、寿々花お嬢さん」
「なぁに?」
「頑張ってこれ、一口でも食べたらさぁ」
「…食べたら?」
「めっちゃ褒めてやる」
と、言った瞬間。
寿々花さんの周囲に、お花畑が広がるのが分かった。
チョロくて助かる。
俺も、寿々花さんの操縦方法が分かってきたな。
まぁ、基本的にこの人は子供だからさ。
4、5歳くらいの子供を相手にするつもりで接したら丁度良いって言うか。
「本当?褒めてくれる?」
「あぁ。めっちゃ褒める」
「分かった。じゃあ頑張って食べてみる」
そう。それで良い。
勇気ある一歩を踏み出してみてくれ。
寿々花さんは、テーブルの上に並んだ料理の数々を見て、そんな奇怪な声を上げていた。
どうだ。感動したか?
まぁまぁ苦労したんだぞ。
すり下ろしたり微塵切りにすることなく、食材全部をぶつ切りにした野菜炒めに。
生のトマトと、千切りニンジンのサラダ。
きのこたっぷりのバターソテーや、ナスとピーマンの焼き浸しに至るまで。
寿々花さんの嫌いな野菜、嫌いな食材がたっぷり入っている。
これまで使うのを控えていた食材を、フル活用。
ピーマンとかナスとか、久し振りに買ってきた気がするよ。
寿々花さんが嫌いだからと思って、滅多に買わなかったんだけど。
今日からは、遠慮なく活用していくぞ。
俺は普通に好きだからな。ピーマンもナスも。
しかし、寿々花さんにとっては。
「…何だろう。いつもは美味しい悠理君のご飯なのに、今日は美味しくなさそうに見える…」
と、ポツリと呟いていた。
そうか。それはごめんな。
でも、これくらいの荒療治をしないと、いつまで経っても食わず嫌いを克服出来ないからな。
我慢して食べてもらうぞ。
「まずは食べてみろよ。そうしたら、意外と美味しいかもしれないぞ?」
一回、この最初の一回が大変で、大切なんだよ。
この一回で「意外と美味しい」と思えたら、次からも抵抗なく食べられるだろ?
逆に、この一回目で「やっぱり不味いじゃん」と思ってしまったら、二回目以降のハードルが爆上がりする。
だからこそ、最初の一回が大切なんだよな。
「そうなのかなぁ…」
「大丈夫だよ。良い香りだろ?きのこのバターソテー」
きのこ独特の香りと、バターの香ばしい匂いが堪らない。
俺だったら、これだけでお茶碗一杯食べられそうな気がするが。
「…うーん…」
どうやら寿々花さんは、箸が進まない様子。
駄目か?やっぱり無理なのか?
いや、諦めるのはまだ早いだろ。
「とりあえず、一口ずつで良いから食べてみたらどうだ?勇気を出して」
「勇気を…?」
「そう、意外に美味しいかもしれないだろ?」
「…うーん…」
まだ悩んでるようだな。
さすがに、17年食わず嫌いしていただけのことはある。
だが、もう一押し。
俺には、寿々花さんをその気にさせる魔法の言葉がある。
「なぁ、寿々花お嬢さん」
「なぁに?」
「頑張ってこれ、一口でも食べたらさぁ」
「…食べたら?」
「めっちゃ褒めてやる」
と、言った瞬間。
寿々花さんの周囲に、お花畑が広がるのが分かった。
チョロくて助かる。
俺も、寿々花さんの操縦方法が分かってきたな。
まぁ、基本的にこの人は子供だからさ。
4、5歳くらいの子供を相手にするつもりで接したら丁度良いって言うか。
「本当?褒めてくれる?」
「あぁ。めっちゃ褒める」
「分かった。じゃあ頑張って食べてみる」
そう。それで良い。
勇気ある一歩を踏み出してみてくれ。