――………ん……。
あたしは気がついて目を開けると、さっきまでパーティにいたのに今は暗い部屋の中にいた。
両手には拘束具がされて身動きできる状態じゃない…。
あたし、シルヴィーヌの目を見ちゃったんだ……。
あたしは自分が今捕らえられてることに悔しく思うと、近くで カツンカツン とヒールで歩く音が聞こえた。
「あら、もう気がついたの?」
あたしに向けて、どこか楽しげな声を発している。
ここが暗闇でもあたしは知っている。
「シルヴィーヌ、あなたね」
あたしは闇の中で見えるシルヴィーヌを睨むと、シルヴィーヌは妖しく微笑む。
「そんな顔しないで、紫音。……いえ、アリシアと呼んだ方がいいかしら」
“アリシア”との言葉に、あたしは反応した。またあたしを“アリシア”と呼ぶ。
「あたしはアリシアじゃない、紫音よ」
そう言うと、シルヴィーヌは何がおかしいのか ふっ と笑いを漏らす。