シルヴィーヌはあたしに気付いたのかこちらにやってくる。
来ないで欲しかった。
あたしはそう思い小さく溜め息をつくと、なるべく目を合わせないようにする。
シルヴィーヌは口元を僅かにあげて微笑む。
「あなたが紫音さんね? はじめまして、シルヴィーヌよ」
「こちらこそはじめまして。 紫音です」
軽く頭を下げるとふと思う。
あたしって外面はいいんだなぁ〜って。
多分うまく微笑むことはできたと思う。
あたしは辺りを見回すとロゼフォードがいないことに気がついた。
……? ロゼフォードどこに行ったのかな。
あたしはロゼフォードがいないことに不審に思いながらも目線を戻す。