*ゼルとセレスの会話*
「んで、あの子はいったい何者なんだ? 」
セレスは単刀直入に告げた。
「紫音は……記憶はないが30年前に姿を消したアリシアなんだ」
ゼルは重い口を開き、だけどセレスにはっきりと伝える。
「アリシアって……生きてたのか!? でも本人が知らないって……」
セレスは明らかに戸惑ったような表情を見せる。
ゼルは淡々と話す。
「紫音にはまだ言わないでくれ。 あの日に言うから」
セレスは何か勘づいたように顔をしかめる。
「あの日って……話しても大丈夫なのか!? 確かに魔力が増幅するが……」
その先は言えなかった。
いや、言ってはならないような気がした。
「このことは誰にも言うな」
そういって立ち去った。