「とりあえず、今日は顔合わせを申し込まれている。すぐに断っては角が立つ。・・・リアーナ、上手くやりなさい」

「はい」

お父様の部屋を出た私は、ため息をついた。


「もう、どうしたらいいのか分からないわ・・・」


私に婚約を申し込んだのは、カイン・エイヴィン様。

エイヴィン伯爵家の次男では、婚約を断られる可能性も理解していただろう。

たとえ断られたとしても、フィオール公爵家との繋がりが欲しかったのだろうか。