「カイン様、私、今から悪女になってきますわ」

「え・・・?」

「少し、待っていて下さいませ」

私は客間を飛び出し、お父様の部屋の扉をノックする。

「お父様、リアーナですわ」

「なんだ」

私はお父様の前で深く礼をした。


「お父様、私、自分の幸せを自分で決めますわ。もう、お父様の愛も求めない。認められるためなら、全てを受け入れることもしませんわ」


「そういう意味だ?」


「お父様、私は「聖女」としての地位を確立しましたわ。フィオール家に相応しい淑女になりました。・・・ですから、政略結婚などしなくてもフィオール家の利益になってみせますわ」

「つまり、愛のある結婚をさせろと?」

「ええ。・・・お父様も聖女である私にフィオール家を出られては困るでしょう?」

まるで悪女でしょう?

しかし嬉しいことに、もう私を悪女でも良いという人がいるのよ。

怖いものなんてもう何もないの。