「あの……ごめんなさい。響くん,いえ有馬さん。私にしたことは1度水に流すとして,何て言ったんですか」



間に机を挟んで,座る。

真剣な顔で尋ねた私を見て,響くんはまたもやあの言葉を口にした。



「とーかちゃん。大事な親友の浮気広められたくなかったら……俺の彼女になってよ。?」



ちゃん付けなんて,馬鹿にして。

わざとらしく縦に開いた口も,ちょっとムカつく。



「広めるって,噂?」

「うん」

「なんで?!」



彼氏に浮気された女の立場でも,流石にそれは,ちょっと……



「だって,嫌でしょ? あんなでも,とーかちゃん守りたいんでしょ? だからだよ。ほら,俺と付き合お?」



それってちょっと,笑っていうことじゃないと思います。

ふわっと,何か香ってくるので近づかないで下さい。