「え?!?!?!!?」



そんなっ。

恥ずかしさも忘れて,私は勢い良く顔をあげた。

目の前の,新しい表情に,つい見惚れまた赤らむ。

喜んでいるような,おかしそうにしているような。

照れているような,からかっているような。

ちょっと赤くなった顔が,見つめられるのも耐えられない甘い表情で私を見てる。



「だから。ほっぺじゃなくて口にしてよ,とーかちゃん。もういっかい」



ほら頑張ってと,子供のように誘われた。

でも口なんて。

急に自分から出来るわけもなく。

あわあわと口を動かしては,きゅっと目を閉じる。



「でもそれはもう我慢できないから。今度ちょーだい」



いじわるだ。

してって言ってみたり。

そのくせ撤回して……

自分が奪ったり。