佐久間くんと向き合えたか分からないし,別れた後もずっと思い出しては泣いたと思う。

きっと優菜と話すことだって,笑うことだってなくなって。

次の恋愛が怖くて,自分も2人も皆も責めて。

どうして上手く立ち回れなかったんだろうって,後悔ばかりの記憶になったと思う。

だけど響くんが,笑って怒って抱き締めて,怖がりな私を引っ張って。

優しさとキスと恋をくれたから。

全部綺麗に消化することが出来た。

いい思い出が確かにあったこと,手離せない気持ちがあること。

私は今の私を思い出して,涙じゃなく笑顔を浮かべられると思う。



「最初はとんでもないと思ったけど……響くんの彼女,ほんとはちょっと楽しかったです」