子供みたいな震えと涙。

冷たくなっていた私の指先も,震えながら優菜の背中に添う。



「……いいよ,優菜。私ね,本当に……本当は,すごく,すごく悲しかった。好きだった2人ともが,ほんとは私の事なんて大事じゃなかったのかと思って」

「そんなことない! そんなこと……」



疑われることを,それは違うと言われるだけの事をしたんだって。

優菜はまたショックを受けるように言葉を飲み込んだ。

だけどね,だけどそうじゃなくて。



「でもね,本当にもういいの。2人がどんな選択をしても。このまま付き合っても,どちらかが片想いし続けても」



いいよ。

怒りも悲しみも恨みもしない。



「私。……好きな人が出来たの。早いって思われるかもしれない,今までの話が軽く聞こえるかもしれない」



だけど



「桃花……ほんとに……好きなんだね……?」