君にするよ,君を選ぶよ。

(とうか)が,好きだよ。

ひゅっと鼻を通り,喉を通り。

私は嗚咽を飲み込んだ唾に隠す。

片手で両目を隠して,唇をぎゅっとつぐんで。

そしてようやく呼吸が鎮まった。

もう,佐久間くんの目を見ることは出来ない。

見た時にお互いに生まれる感情は,きっといいものではないと予感するから。

ねぇ,佐久間くん。

悲しいね,哀しいね。

私達お互い初めての恋で,カレカノで。

はしゃいじゃうくらい,初めてでいっぱいだったのに。

こんなにこじれる関係なんて思わなかったよ。



「いいよ,違うよそれは。もういいの,ずっと前からゆるせてる。佐久間くんが,どっちも好きになったって言うなら,それがほんとでも勘違いでも……」



そもそもどちらも好きとは違ったのだとしても。



「そんな事で,そんな事で悩まないよっ!!!!!」



どう転んでも,私は傷ついたし。

きっと沢山泣いたんだと思う。

それでも