「美月が大好きだよ」
「私も朝陽が好き」


 空に光が見え始めた。雲の隙間から見える太陽の光線は二人を祝福しているみたいだ。


「今頃かもだけど、俺と付き合ってくれますか」
「ふふっ、はい。喜んで」

 
 二人で顔を見合って笑った。ただこの空間が幸せでたまらなかった。


「美月」
「なに」
「美月」
「だから、なに」
「呼べなかったぶん、沢山呼ぼうと思って」


 そんな朝陽が大好きでまた笑みがこぼれる。空からは雲が消え、オレンジ色の光で包まれた。


「朝陽くん」
「なに?」
「キスより甘い恋にしようね」


 そう言うと朝陽は美月の頬に手のひらを乗せた。


「うん、甘い恋をしよう」


 すると、少しの上を向かされた。自然と目が閉じる。反対の手で腰が引かれ、朝陽がゆっくりと近づいてきた。



「――――……」



 そして、お互いの唇が重なった。










 キスより甘い『恋をしよう』