「大好きだよ」


 それだけは伝えたかった。大好きだったこと。二人の時間が楽しくてしょうがなかったこと。それだけは伝えることは許してほしい。


 少しすると朝陽の手が緩んだ。少しの寂しさが残る。


 朝陽は笑顔を取り戻し美月の瞳を見つめていった。


「俺も大好きだよ」


 綺麗に光る朝陽の瞳は美月だけを映している。あまりの瞳の美美しさに見惚れた。


 美月の頬に朝陽の手が触れ、少し上を向かされる。朝陽の真剣な眼差しがささった。


 重なる唇はとても柔らかく、溶けてしまいそうになるほど熱かった。


 体に覚えさせるように、すべてを噛みしめるようにキスをする。