嬉しそうに笑いながら朝陽は語った。その姿を見て、涙が落ちそうになった。
美空の好きな花はひまわりだった。病室にはいつもひまわりが飾られていて、季節ではない冬でも造花が花瓶に大事そうに入っていた。
美空はひまわりを何よりも大切にしていた。
「思い出したよ」
そう、力強く言うと朝陽が驚いたように美月を見た。
「朝陽くんがいなくなってもひまわりは一番大切にしていたよ。冬でも造花を花瓶に入れていつでも見えるようにしていた」
頬に涙が伝った。美空は何を思っているのだろうか。大好きだった人が妹といる姿を見て、美月を恨んでいるのかもしれない。
一番高くまで伸びるひまわりが心無しか美空に見えた。誰よりも大きく、綺麗に咲いている。美空の最後の姿にとても似ていた。