ああ、ついに。


ついに言ってしまったよ。


新が好きだって。


ここまで言ったら、もう引き返せない。


私はぷるぷると震える手を、もう一方の手でぎゅっと握りしめる。


「…………」


……私が告白してから、一体どれほどの時間が経っただろうか。


さっきから新は、ずっと黙ったままで。


この沈黙が、私にはとてつもなく長く感じてしまう。


早く告白の返事を聞きたいような……永遠に聞きたくないような。


心臓が、尋常ではないくらいにドキドキしている。


告白の返事を聞くのは、やっぱり怖い。


私は、新の顔を真っ直ぐ見れなくて下を向いてしまう。


「えっと、彩里の気持ちは嬉しいんだけど……ごめん」