「かな、昴汰とのデートのために浴衣買ったんだよ? 可愛いやつ、煌汰の好きな水色にしたんだよ?」

かなの好きな色、ピンク色だもん。

昴汰に好きな色聞いた時に水色って言ったから決めたのに。


「それなのに、浴衣着る時間なかったし、屋台もないし予定めちゃくちゃ!かなに聞いてから決めてくれたら良かったでしょ!?」


あーだめだ。かなこそ言ってることがめちゃくちゃだよ。

なんでこんなに怒っちゃったんだろ。

こんなこと言うべきじゃない、昴汰が頑張ってデートプラン立ててくれたのに台なしにしちゃだめだってこと分かってるけど、どうしても止められなかった。

かな、最低だ……。


そうは思っても言ってしまった事実は消せなくて。


「花菜乃、その…」

昴汰が言葉を選んでいる。


「ごめん、昴汰。ここまで連れてきてくれたけどかな、帰るね。」

「花菜乃、待って…」

「送ってくれなくても大丈夫だから。だから、ほんとにごめん。それと、デートも台なしにしてごめん。じゃあね。」