遥生から好きな人の話を聞いてから私は遥生にどんな態度で接していいのか悩んでいたけど、遥生はいつもと全然変わらなかった。

私は、自分の気持ちに気付いてしまったんだ。

幼馴染だから好きなんじゃないんだって。

遥生のことを男の人として好きだって気付いたのに。



「夏芽、明日は何時ごろに遥生の学校へ行く?」

学校へ向かって歩いている隣から直生が聞いてきた。

「ん? あっ、ごめん直生。なんかボーっとしてた。そっか、明日は遥生の学校の文化祭だったね」

「夏芽、最近何か考え事が多いような気がするけど、大丈夫なの?」

直生は私のことを良く見てくれている。

直生にはなんでも相談できるし、今まで内緒のことなんてなかったのに。

初めて直生に言えない秘密ができてしまった。

「何もないよ、大丈夫。明日どうしようね。確か9時からだったよね。その時間に行ってみる?」

「了解。明日遥生は準備があるから早い時間に登校するらしいんだ。だから僕と2人でもいいかな、夏芽」

「もちろんだよ直生。私が迷子にならないように連れて行ってね」

「ははっ、じゃあ僕の側から絶対に離れないでよ」

そうだよ、明日は遥生の学校の文化祭だもん。

思いっきり楽しもう。