トロリとした目で言う。
念の為に伊吹の体を確認してみたけれど、怪我はなさそうだ。

それからふたりはいつものリビングへ向かい、ソファに座った。


「夏波がいなくなってからまた眠りが浅くなってな。そのせいで部屋に入るまでにダウンしたんだ」


玄関先で倒れていた理由をそう説明して、伊吹は苦笑いを浮かべた。
昨晩の銃撃戦については伊吹たちは関係なかったみたいだ。


「よかったぁ……」


心から安堵して大きく息を吐き出す。


「良くないだろ?」


そう言われて顔を上げると起こったような伊吹の表情があった。


「彼氏のところから逃げてここにくるなんて、どうかしてるぞ」

「それは……」


自分でもそう思っていたから、言い返すことができない。
やっぱり自分はここにいちゃいけないんだろうか。