「松田さん、松田さんっ!」


名前を呼ばれてバッ!っと起き上がった。


もう頭は痛くない。薬がようやく効いたみたいだ。


声のした方を見ると、久保田先生がカーテンをめくってこちらを覗いていた。


「今日も頭痛かな?そろそろ2限目始まるよ。まだ寝とくの?」


「すみません、もう良くなりましたっ!ありがとうございました。」


「ん、よかった!じゃあ気をつけて帰ってね。」


そう言って先生は捲っていたカーテンを戻して去っていった。


布団の反対側を見ると、誰もいなかったんじゃないかって思うくらいに、綺麗に整えられていた。


――五十嵐くんいた…よね?あれ…もしかして夢??


首を捻りながら、ベッドからおりると、保健室を出て教室へ戻った。